仮面ライダーZX
「仮面ライダーシリーズ」第8作である。
本作品は雑誌連載を中心に、ラジオやイベントなど様々な形での展開が行われ、仮面ライダーZXを主人公とするテレビシリーズは実現しなかったものの、1984年1月のテレビスペシャル『10号誕生!仮面ライダー全員集合!!』での映像化を果たすまで、約1年半続いた。また、「仮面ライダー10号制作委員会」という形でファン有志が意見を提出し、その制作や展開にファンサイドの大きな協力があったことも特徴である。
主に雑誌展開のみという作品の性格上、バンダイは本作品の玩具展開を行わなかった。1982年に発売した旧サイクロン・ハリケーン・カブトロー・スカイターボのプルバックゼンマイ式のプラモデルにヘルダイバーも予定されたが、未発売に終わっている。その後、『仮面ライダーBLACK RX』終了後のソフビシリーズとして初めて商品化された。セイカノートからはぬりえやらくがきちょう、アルミ製弁当箱や水筒なども発売されていた。
かつて地球で猛威を振るったショッカーをはじめとする歴代暗黒組織を裏から操っていた、最強の暗黒組織バダンが活動を始めた。ブラジルの大学に通っていた大学生村雨 良(むらさめ りょう)はバダンに囚われて脳以外の99パーセントを改造され、パーフェクトサイボーグZXとなってしまう。
事故により自我を取り戻した良は処刑されそうになるが辛くも基地から脱出し、自分と同じくバダンに囚われて殺害された姉村雨 しずかの敵を討つため、バダンの放った怪人たちと戦う。そして、戦いの中で先輩の9人ライダーと出会った良は、仮面ライダー10号に当たる仮面ライダーZX(かめんライダーゼクロス)として迎え入れられる。
時空破断システムを完成させた悪の組織バダンは、世界を我が手中におさめんと行動を開始した。そのバダンに姉を殺され、自らも改造人間にされた村雨良は、バダンのアジトを叩き潰すべく時空破断システムに使われるエネルギー源として輸送されているバダンニウム84の行方を追ったが、そこで彼は同じ目的を持った異形の戦士たちと出会う。彼らこそ、自分たちと同じく改造人間の哀しみを背負った正義の戦士・仮面ライダーだった。バダン時代の親友・三影英介との宿命の戦いを経て、良は仮面ライダー10号としてバダンとの決戦に臨む。