統合失調症とは、考えや気持ちがまとまらなくなる状態が続く精神疾患です。
原因は脳の機能にあると考えられています。約100人に1人がかかると言われています。思春期から40歳ぐらいまでに発病しやすい病気です。
統合失調症の症状
統合失調症の症状は、陽性症状・陰性症状・認知機能障害の3つに分けられることが出来ます。
陽性症状では妄想、幻覚、思考障害があり、陰性症状では、感情鈍麻、思考の貧困、意欲の欠如、自閉が出てきます。
また、認知機能障害では、記憶力の低下、注意・集中力の低下、判断力の低下があります。
統合失調症は病気の経過により、>前兆期・急性期・消耗期(休息期)・回復期に分けられます。
それぞれの病期で特徴的な症状が認められます。
前兆期では、特に目立った症状はありませんが、何となく変だと感じるようになり、過労・睡眠不足に注意が必要です。
急性期では、幻覚や妄想など不思議な体験をするので、自分の中で何かが変だと感じながらも、自分が病気だと思えず、他人から見ておかしな行動をすることがあります。周りの出来事に敏感になり、不安や緊張を強く感じたりするため、睡眠・休息・安心感が大切になります。
消耗期(休息期)では、元気がなくなったり、やる気が起こらなくなったりします。数ヶ月単位の休息や就寝時間は規則正しくすることなどが必要になります。
回復期では、少しずつ元気が出てきて心も体も安定してきますので、焦らず、ゆっくりと生活の範囲を広げ、再発予防のために薬を忘れずに飲むことが大切です。楽しみながらのリハビリテーションや体力作りも大事になります。
統合失調症患者の約5~6%自殺し、約20%が自殺を試み、さらに多くの患者が自殺を真剣に考えます。
統合失調症患者が暴力行動を示すリスクはわずかに高くなるだけです。本当に危険な行動よりも、暴力をふるうという脅しや攻撃性の低い感情の爆発の方がはるかに多くみられます。
治療の開始が早いほど治療の結果は良くなる病気なので、予兆があるかも…等思ったらチェックシートで調べてみたりしてはいかがでしょうか。
統合失調症の治療方法
治療法としては、抗精神病薬、支援サービス、精神療法があります。
一般に、統合失調症の治療では、精神病症状を軽減する・症状の再発とそれに伴う日常生活機能の低下を予防する・日常生活機能をできるだけ高い水準で維持できるように患者を支援する事を目標とします。
妄想、幻覚、支離滅裂な思考などの症状を軽減または消失させるために抗精神病薬を服用します。
副作用もありますが主に眠気体重増加、不穏などがあります。副作用が出た場合は速やかに医師に相談して下さい。
薬を飲むことをやめると、再び症状が出てくることがあり、再発を繰り返すと症状が強くなり、治りにくくなります。薬には再発を予防する作用がありますので、薬を続けることはとても重要です。
地域支援サービスでは、統合失調症の人ができる限り自力で生活できるようにするためのサービスが提供されます。
デイケア、作業療法、SST(Social Skills Training : 社会生活技能訓練)、心理教育があります。
統合失調症は再発しやすい病気です。
症状が一度落ち着いても長期にわたって治療を続ける必要があります。
治療を中断して再発を繰り返すと、「精神機能や社会的な機能が低下して、今までできていたことができなくなる」、「薬が効きにくくなって回復に時間がかかるようになる」、「多くの方が再入院になる」などのリスクがあります。
病気や治療の事など気になる事や不安があれば医師や専門のスタッフに気軽に相談してください。
統合失調症の再発の兆候
再発の兆候はそれぞれ人により違いますが、再発するときはいつも同じパターンで始まる事が多いと言われています。
眠れない日が続くようになる、焦りや不安の訴えが多くなる、うつ症状になりぼーっと考え込んだりする、作業所やデイケアを突然やめて仕事探しに出るなどがあります。
いつもと違う様子に気が付いたら再発の可能性を疑って受診させるようにしましょう。
再発初期であれば薬の調整や生活上のアドバイスで切り抜けられることもあります。
統合失調症の人向けの制度
統合失調症の人を支える制度には、自立支援医療(精神通院)制度や精神障害者保険福祉手帳、障害年金、生活保護と受給資格(障害者加算)があります。
就労のサポート面では、ハローワーク、地域障害者職業センター、障害者就業・生活支援センター、就労移行支援事業所があります。
ケイエスガードの就労移行支援では、統合失調症の方に向いている軽作業などが用意されているので、自分の興味のある分野に打ち込みながら就職に有利になる技術を学ぶことも出来ます。
それぞれの方の状況に合わせて、個別の支援計画を作成いたします!
無料の訓練体験もやっていますので、少しでも興味のある方はお問い合わせよろしくお願い致します。