仮面ライダーフォーゼ

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仮面ライダーフォーゼ



本作品では、東映での小惑星探査機はやぶさを題材にした映画『はやぶさ 遥かなる帰還』の制作、スペースシャトル退役など宇宙関連の話題が相次いだこと、放映年がユーリイ・ガガーリンらによる人類初の有人飛行から50年後であることから「宇宙」をテーマとし、特に「宇宙開発」を色濃く出した設定となっている。また、ジョン・ヒューズ監督の映画作品を意識したかのような、シリーズ初の「学園青春ドラマ」に沿って物語は進行する。この設定について、スタッフはいわゆる「ご近所もの」という後者に、スケールにギャップのある前者を組み合わせることにより生じる「新たな面白さ」を追求した挑戦だと語っている。本作品は主人公の弦太朗が仲間との友情を築き上げることも作品の大きな魅力の1つで、脚本を担当することになった中島かずきによると、この行動には「「仮面ライダーであること」を我々はどう考えるか」が軸になっているという。

本作品では、一般人である主人公や敵の人間がアストロスイッチと呼ばれるキーアイテムを用いて仮面ライダーや怪人へ変身する。怪人の正体が視聴者に判明するまでは声に特殊な加工が施され、「仮面ライダー部」が犯人(怪人)の正体を探索するなど、前々作『仮面ライダーW』に似た構成となっている。また、『W』の後半で登場した闇の組織「財団X」は本作品の劇場版でも登場し、後にはテレビシリーズにも登場する。その一方、世界観は『W』の「風都」という都市単位に対し、本作品では「天ノ川学園高校」というさらに狭い範囲での物語がなされている。そのため、ゲストの大半が学園の生徒に限定され、以前に登場した人物が敵となって再登場したり、かつて怪人として仮面ライダーに倒された人物が何らかの形で再登場したりと、より人物像を濃く描いた部分がある。

本作品の企画準備を進めていたところ、2011年3月11日に東日本大震災が発生して企画作業も諸所に中断したが、やがて再開した。その際、スタッフたちが「震災後に登場する新しいヒーロー、その1番手」になることに気づき、「子供たちをとにかく明るく元気にしたい!」という思いを込め、本作品でそれを実現しようとフォーゼを「日本を元気にするヒーロー」と定義している。そのため、平成主役ライダーに伝統で取り込まれていたマスクデザインの涙ライン(涙の跡に見えるライン)は、意図的につけていない。

次作『仮面ライダーウィザード』以降は全編のメインカメラがアーノルド&リヒターのフルHDカメラ「ALEXA」に変更されたため、本作品は『仮面ライダーゴースト』にて再び使用されるまで、パナソニックの「VARICAM」(=シネライクガンマ)を使用した最後の作品となった。

主人公がリーゼントヘアーであることに対して多くの抗議が寄せられたとされ、次々作『仮面ライダー鎧武/ガイム』でメインライターを務めた虚淵玄は本作品の件を引き合いに出し、抗議を受けそうな要素の除去が徹底していたと証言している。
第1作『仮面ライダー』が放送されてから40年目に当たる年に放映が開始された本作品は、後述するようにシリーズを意識した設定がなされている。テレビシリーズ以外での他の仮面ライダーシリーズとの関連は、#他媒体展開を参照。スタッフは、「テレビシリーズでの『過去の仮面ライダー』との共闘は『仮面ライダーディケイド』で行ったので、極力別の路線で制作したい」と発言している。

昭和シリーズも含む過去のシリーズ作品に登場した仮面ライダーたちの存在が、都市伝説として語り継がれている。
本作品の第2話に登場した、都市伝説として扱われた過去の仮面ライダーの映像はすべて新撮されたものである。
「40周年」にちなみ、フォーゼが使用する「アストロスイッチ」の個数も40個存在する。
仮面ライダー部の部員のネーミングは、「仮面ライダーシリーズ」が40周年であることと、部員が7人の予定であったことから、過去のシリーズ作品の登場人物の名前をアナグラムにしたものとなっており、その関係者も過去の作品の登場人物に因んだものが多い。
西暦2011年、天ノ川学園高校にリーゼントに短ランという往年のツッパリスタイルの転校生・如月弦太朗がやってきた。教室に入ってきた弦太朗は「この学校の生徒全員と友達になる」と宣言する。彼の言葉に困惑し、呆れる生徒たちをよそに、幼なじみの城島ユウキは彼との再会を喜び、同じくクラスメイトで登校中に彼と一悶着起こしていた歌星賢吾は嫌悪感を隠さずにいた。一方、ユウキに学内を案内された弦太朗だったが、この天ノ川学園高校は学園一の情報通・JK(ジェイク)をはじめ、非常に個性豊かな生徒たちが多い学校であることを知り、さらに学園のルールを知らなかったために、学園ヒエラルキーの頂点に立つ、アメフト部部長の大文字隼とチア部部長の風城美羽に目をつけられてしまうなど、登校初日から様々なトラブルに遭遇してしまう。

そんな中、弦太朗の前に突如ゾディアーツと呼ばれる怪物が現れる。弦太朗は勇猛果敢に立ち向かうが、敵うはずもなく、賢吾が操縦するパワーダイザーの援護もあってその場を切り抜けた。

本格的に活動を始めたゾディアーツと戦うため、賢吾はフォーゼドライバーを装着しようとするが、元来の病弱体質が祟り、ユウキに止められる。それを見かねた弦太朗は、賢吾からドライバーを奪い、彼に代わってフォーゼに変身する。ゾディアーツを退けた弦太朗は、戦いの一部始終を見ていた少女・野座間友子からネット上にある都市伝説の一つ「仮面ライダー」に似ていると言われ、仮面ライダーフォーゼと名乗るようになる。こうして学園生徒全員と友達になる目標を掲げた学園生活を送りながら、ユウキと共に仮面ライダー部を結成した。

やがて、そんな弦太朗の人柄に触れることで彼と友情を交わした隼、美羽、友子、JK、そして賢吾を加え、仮面ライダー部と弦太朗=仮面ライダーフォーゼの学園の平和を乱すゾディアーツとの戦いと青春の日々が始まった。
【参考】https://www.kamen-rider-official.com/riders/13

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