仮面ライダーX

OUKI

仮面ライダーX



仮面ライダーX
「仮面ライダーシリーズ」の第3作目である本作品は、従来よりも視聴者の年齢層を上げることを意識して多くの新機軸が導入された。

それまでの歴代ライダーは敵から奪った武器を使用することはあったが、Xライダーは正式な手持ち武器(ライドル)を装備した初のライダーである。Xライダーについては改造人間であるという設定は従来と共通であるものの、ベルト以外にもアイテムを用いて変身する点や、武器をベルトに内装するなど様々なメカニカルな新要素を大幅に取り入れた仮面ライダーのイメージを一新させる作品となった。

仮面ライダーシリーズの多くに登場する敵組織と異なり、本作品に登場するGOD機関は「世界の対立する大国同士が密かに手を握って改造人間を使って日本全滅を狙う恐怖の秘密組織」(第1話ナレーション)という設定である。世界征服ではなく明確に日本をターゲットにしてその全滅を目的としており、GODの戦闘員は「戦闘工作員」と呼ばれ、GODとのスパイ合戦が描かれるとともに攻撃する組織の支部を「分署」と呼んだり、秘密警察を連想させる制服を着た構成員を登場させるなど、随所にそれを裏付けるための演出がなされている。

独自の魅力を持つ神話怪人群とマンガチックな悪人軍団怪人群、本格的ライバルキャラクターのアポロガイスト、実寸大のセットで表現されたシリーズ初となる巨大敵キャラクター・キングダークや、Xライダーの剣劇的なアクションなど、本作品ならではの特徴も少なくない。
海洋科学者・神 啓太郎(じん けいたろう)教授は、日本全滅を狙う大国の連合組織「GOD(ゴッド)機関」より組織への加入を迫られる。拒否した神教授は報復としてGODから重傷を負わされ、彼を助けようとした息子・神 敬介(じん けいすけ)も殺害されてしまう。瀕死の神教授は、最後の力で敬介にサイボーグ手術を施し、深海開発用改造人間・カイゾーグとして蘇らせ、「仮面ライダーX」の名を与える。

父の遺志を継ぎ、日本全滅を図るGODと戦う決意を固めた敬介の前には、かつての恋人・水城 涼子(みずき りょうこ)がGODの一員として現れるうえ、彼女と同じ顔をした謎の女性・霧子(きりこ)が敬介を助ける。涼子の真意と霧子の正体を求めつつ、過去の「仮面ライダー」の協力者である立花藤兵衛らの助力も得て、XライダーはGODに立ち向かう。

実は涼子は国際秘密警察の調査員であり、GODへの潜入のために敬介たちを裏切る振りをしていた。そして霧子は、涼子の双子の妹だった。その事実が明らかになったとき、GODの手にかかって姉妹は命を落とす。悲しみをこらえ、Xライダーとして戦い抜くことを誓った敬介の前には、GOD秘密警察第一室長・アポロガイストが現れる。その強大な力にXライダーは苦戦を強いられるが、なんとか勝利する。敗北したアポロガイストは強化手術を受け、それまで以上に恐ろしい力を得てよみがえるが、その再生は不完全であり、余命を延ばすためにはXライダーの持つパーフェクターが必要だった。生き残りをかけた激闘の末、ついにXライダーはアポロガイストを完全に倒す。

アポロガイストの死後、GOD悪人軍団を率いる新幹部・キングダークが姿を現す。キングダークの巨体を自由に動かすために必要なRS装置の設計図は9つに分割されており、Xライダーと悪人軍団は争奪戦を繰り広げる。そのさなか、強敵・クモナポレオンにXライダーは敗れてしまうが、駆けつけた仮面ライダーV3=風見志郎によって強化再生され、新たな力を得てGODに立ち向かう。

やがてキングダークはRS装置を待ちきれずに立ち上がると、戦闘に臨む。その巨大な体内に侵入したXライダーは、そこでGODを操っていたと自称する呪博士と対峙し、彼を倒す。呪の死とともにキングダークも爆発四散し、ここにGODは滅びた。敬介は藤兵衛たちに別れを告げ、どこかへ旅立っていった。

【参考】https://www.kamen-rider-official.com/history

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