りんりんの運命の出会い 「スマホ」

りんりん

りんりんの運命の出会い 「スマホ」



スマホが壊れた。3月15日のことだ。

その日の朝、いや、時間を見るとお昼まで、何の問題もなく使えていた。どこかに落としたのだろうか。

落としたと言ってもせいぜい、座面の低いソファから床にだと思うのだけど…とにかく、スマホが壊れた。

その日に限って、電話がかかってくる。

タップしても全然反応がないだけ(だけ?)で、どこからかかってきているか番号も表示される。

その日は044から始まる同じ電話が数回来ている。

川崎に知り合いはいないので、おそらくケイエスガードからだ。

急ぎだろうか。

ラインで欠勤の報告はできているはず、いや、報告前に壊れてしまっていて、無断欠勤状態か?(その時点では想像でしかない)

親しい人やよくかかってくる番号なら名前を入れてあるけど、初めてに近い電話番号は名前を入力していない。

ということは部長からではない。

誰?

考えても仕方ない。

その電話からは1回ではなく、何回もかかってくる。

急用だろうか…。

まずはdocomoに走ろうと心に決めた。

幸いにも家から10分ほど歩いたところに、docomo shopがある。

私はそこを目指した。

店内に入ると、スタッフ全員が接客をしている。

そうよね、基本予約制。私はしばらく待たされることは覚悟の上で、空いている席に腰掛けて様子を見ていた。

しばらくすると、店内に入ってきたお客をさばく専門(今日のシフトだろうか)スタッフがいる事がわかる。

ほどなくしてそのスタッフが私のところにやって来た。

私は要件を伝え、予約なしで来ているのでしばらく待たされる事を覚悟しながら待った。

さて、スマホで時間を潰して待つことにして…イヤイヤ、スマホは使えないのだった。

何とも、間が持たない。

本でも持って来ればよかったと思いながら、またしても、待つ。

待ち続ける。

すると、私の要件を来店したお客をさばくスタッフから聞いているのであろう、ケーブルを持った先ほどのスタッフとは別の女子がやってきた。

「画面だけが接触が悪いのかもしれません。マウスで操作してみてください。また後で来ます。」と、離れていった。

スマホにマウスを繋いで操作する…というシュールな動作を始めて、真っ先にしたのが、「さっきの電話、折り返さないと。」だった。

履歴を見て、電話番号を紙に写し、スタッフに「電話をかけてくるので席を外す」旨を伝え、店外に。

でも…ない!ない、ない、ない!公衆電話がないのだ!

ひと昔前まで、「人も歩けば公衆電話に当たる」くらい、街のあちこちにあった公衆電話がないのだ!

docomo shopは駅直結。すぐそこの駅まで行けばおそらく今度こそ、きっと…ない!ない、ない、ない!

駅員さんに聞いてみることにする。

すると、「右手のイベント広場のところに一台ありますよ」と教えてくれたので行ってみると…あった!あった、あった、あった!

端っこにポツンと一台、所在なさげに。

やはり、電話はケイエスガードK氏から。

幸いにも急用ではなかった。

メモしてあった紙を見ながら別件で、数件に電話をする。

考えてみれば、その日はなぜかたまたま10円玉をたくさん持っていた。

よかった。

10円玉の減りがすごかった。

公衆電話での会話って覚えている限り、公衆電話、対、固定電話。

3分に一回(いや、もう少し短くなっていたか)、穏やかに10円が消えていく。

その記憶があったから、恐ろしい10円玉の消え方だった。

docomo shopに戻り、帰ってきた旨を伝える。

この時点でdocomo shopに来て1時間経っていた。

持病の腰痛がいつまでおとなしくしてくれるか、ちょっと心配になってきた。

でも、今までと違い、今度は貸してもらったマウスでスマホをいじっていられる(知らず知らずのうちにわしも依存症か?)。

時間が潰せる。

……

名前を呼ばれた。

気がつくと入店以来3時間経っていた。

さらに、いろいろ聞かれ、いろいろ書類を作ってもらい、やっと代替品を手に取れた。

まず、修理センターに壊れているスマホが連れて行かれて見積もりが出る。

これでよしとなって修理が出来る様なら1週間から10日。

その間この代替スマホにお世話になる。

「代替スマホに写したいものはどれですか?」と聞かれ、「よく使うのは電話にメイルにGoogleに…」と思いつくままを言っていく。

スマホを手にしてdocomo shopを出たのは、5時間を経過していた。もう持病の腰はボロボロで、這う様な気持ちで帰路に着いた。

途中買い物をして、いつもの習慣で「支払いはSuicaで…」と言おうとして「あ!?」…代替品に移すのを忘れた。

暫くぶりに現金で支払う。

「お客様、ポイントカードはお持ちですか?」

「はい、あ!?」…今まで本当のカードからスマホにアプリを入れて「お財布が厚くならなくていいわ。」とガンガン移行していたのをすっかり忘れてた!

家に帰って、Suicaのカードとポイントカードをいくつか取り出しお財布に詰め込んだ。

教訓として、

「なんぞの時用に10円玉をたっぷり用意しておく」

「やはり、自分でメモして作った紙の電話帳は必要」

「ポイントカードはスマホに移行しても、ナマのカードは捨てずに残しておく」…他に何かあるかしら。皆さんにも是非教えていただきたいです。

ただ、運命の出会いの代替品のスマホが只今のお気に入り。

写真が綺麗に撮れる(私物比)。

docomo shopで「これに変えちゃおうかな〜」と言ったら、「これ、2年前の古い機種です。スマホケースも売っていないかも。」と言われたけど、

なんでもかんでも猛スピードになって、2年経つと、もう古い機種になるのね。

いろいろビックリだったけど、その日の朝には全く想像していないことをいろいろ体験して、この日は運命の出会いをした。

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