仮面ライダービルド

OUKI

仮面ライダービルド



「平成仮面ライダーシリーズ」第19作目であり、放送開始は前年より1か月早い9月第1週からとなる。タイトルにも冠されている「ビルド」は「創る」「形成する」という意味の英単語 “Build” に由来する。

主人公の桐生戦兎は平成仮面ライダーの史上最高IQを誇る天才物理学者と設定されている。
その変身には動物や機械など、さまざまな物の力が封じ込められたアイテム「フルボトル」2本が用いられ、次々と創られていくフルボトルを「実験」と称して戦いの中で組み合わせてビルドの姿(フォーム)を変え、新しいフォームの能力を元に「勝利の法則」を編み出していくという戦闘スタイルが採られている。

プロデューサーの大森敬仁は、本作品を「『仮面ライダーエグゼイド』での医療やゲームのようにモチーフは無い。『ビルド』は仮面ライダーがモチーフ」とコメントしている。また、近年の平成仮面ライダーシリーズは商品展開からドラマを作っていたが、本作品はまずドラマから作っているため、近年離れていた大人の視聴者も楽しめる作りになっているとも説明している。
メインとなるストーリーは葛城巧殺害事件の真相を中心に戦兎と龍我を描いていく第1章、東都と北都の対立に端を発するライダーウォーズを描く第2章、パンドラボックスを巡る戦争、そしてすべての黒幕であるエボルトとの地球の運命を賭けた戦いを描く第3章にそれぞれ章分けされている。

第1章(第1話 – 第16話)
10年前、初めて日本の有人探査機が火星に着陸し、謎の箱パンドラボックスを発見し地球に持ち帰った。だが、探査機の帰還セレモニーの最中に箱から発生した巨大な壁スカイウォールにより、日本列島は東都、西都、北都と呼ばれる3つの国家に分断された。この事件はスカイウォールの惨劇と呼ばれるようになり、同時期に東都には謎の組織ファウストと、彼らによって生み出された未確認生命体スマッシュが誕生し、人々の平和を脅かし始めた。
そして現代。東都では、スマッシュから人々を守る正義の戦士仮面ライダービルドが密かに活躍していた。その正体は若き天才物理学者桐生戦兎、彼は「自分が物理学者で、謎の組織に人体実験をされた」という記憶以外、過去の記憶を失っていた。そんな折に戦兎は、自分と同じ人体実験を受けたという脱獄囚万丈龍我と出会う。彼は東都政府の科学者葛城巧を殺害した罪で投獄されていたが、冤罪であることを訴えて脱獄したのだった。
龍我の体験が自分の記憶を取り戻す鍵だと考えた戦兎は、彼が脱獄囚と承知の上で助けたため、ビルドとしては指名手配されてしまう。それ以降、戦兎は失われた過去を、龍我は自分の冤罪を晴らす証拠をそれぞれ求めて仮面ライダークローズとなり、時に衝突しつつも協力してファウストと戦う。そんな中、戦兎を人体実験したのがファウストの幹部ナイトローグであり、その正体が東都政府の首相代理である氷室幻徳であることと、戦兎たちが住処としているカフェのマスターである石動惣一もナイトローグの同僚ブラッドスタークであり、龍我に殺人の濡れ衣を着せた張本人であることを知り、さらに記憶と顔を惣一に改竄された巧こそ戦兎の正体であると幻徳から告げられる。戦兎はそのことで戦意を喪失するものの、龍我の叱咤激励により再び立ち上がり、仮面ライダービルド=桐生戦兎として戦う決心をする。一方、幻徳は北都政府と西都政府を挑発し、パンドラボックスの所有権を賭けた戦争の開始を通告していた。その挑発に乗った北都政府が東都への武力侵攻を開始し、東都対北都の戦争の火蓋が切られた。

第2章 -ライダーウォーズ編-(第17話 – 第28話)
北都の侵攻を受けた東都では仮面ライダーを軍事兵器として利用するという方針が発表されるが、戦兎はこれに反発する。そんな中、戦兎たちの前に北都から送り込まれたスマッシュの強化型である3体のハードスマッシュ(三羽ガラス)が現れ、その連携攻撃にビルドとクローズは苦戦する。戦兎はスクラッシュドライバーを完成させていたものの、ネビュラガスの影響によって使用者が好戦的な気質をむき出しにされるという副作用があり、封印するつもりでいた。しかし龍我はスクラッシュドライバーを持ち出し、仮面ライダークローズチャージへと変身し、その圧倒的な力でハードスマッシュを退ける。しかしそこへ同じくスクラッシュドライバーを持つ北都のライダー猿渡一海 / 仮面ライダーグリスが現れ、クローズチャージをも翻弄する。
龍我は戦兎(葛城)が原因で始まってしまった戦争を終わらせるためにグリスと戦うが、ドライバーの副作用で暴走してしまう。戦兎は惣一から渡されたハザードトリガーでハザードフォームに変身し、龍我の暴走を止めようとするも、ハザードトリガーの副作用で自我を失い、三羽ガラスの一人青羽を殺害してしまう。そのころ、美空の尽力で回復した東都首相氷室泰山は幻徳を追放して首相に復帰した後、北都と1対1の代表戦を行って戦争を終わらせる約束を交わす。だが、焦燥した戦兎は出場を拒否する。そんな戦兎を見かねた惣一は彼を諭し、戦う決意をさせた上で自らを相手に戦闘訓練をさせる。
ハザードトリガーで代表戦に勝利した戦兎は副作用で暴走し、一海を殺害しようとするが、力を制御した龍我により正気を取り戻す。北都首相多治見喜子は東都を攻撃させようとするが、西都軍の侵攻を受けて拘束された。
北都と東都の戦争に決着が付いた直後、新たに西都が東都に宣戦布告した。難波重工と手を組んだ西都は鷲尾風 / リモコンブロスと鷲尾雷 / エンジンブロスを北都に送り込み、手始めに北都を制圧。三羽ガラスの一人黄羽を人質にとって一海を攻撃するが、黄羽は一海を庇って命を落とす。そしてもう一人、西都のライダー仮面ライダーローグが戦兎たちの前に現れるが、その正体は東都を追放された幻徳だった。自身のプライドをかなぐり捨ててまで西都の兵器に成り下がった幻徳は、ボトルを揃えてパンドラボックスを開こうとする。戦兎たちは一海と三羽ガラスの一人赤羽を仲間に加えて立ち向かうが、ローグの攻撃を受けて赤羽は消滅してしまう。その一方で石動惣一の娘石動美空は腕に着けたバングルによって謎の力が覚醒し、オーバーフロー状態にあったビルドを強制的に変身解除させる。そして、東都・北都連合と西都の3対3の代表戦が行われることとなり、第1戦は一海がエンジンブロスに勝利するが、第2戦では風が新たに変身したヘルブロスに龍我が敗れてしまう。戦兎は幻徳との対決に備え、新たな強化アイテムフルフルラビットタンクボトルを開発するが、戦兎たちの協力者であった滝川紗羽がその情報を難波重工の会長難波重三郎にリークしてしまう。そして、戦兎は新たな姿ラビットラビットフォームとなってローグを圧倒するも、ラビットラビットの攻略データを転送されたローグの反撃を喰らう。しかしそれは戦兎の作戦であり、事前に紗羽と協力していたことでデータになかった新たな姿タンクタンクフォームとなり、ローグに勝利する。その一方で、難波はスタークに西都首相御堂正邦を殺害させ、自身が御堂に成り代わることで新たな西都首相となる。

最終章 -エボルト編-(第29話 – 第49話)
御堂に成り代わった難波はマスコミを利用して代表戦の結果を西都の勝利と捻じ曲げることで、東都との約束を反故にして東都に侵攻する。一方で、スタークはパンドラボックスの力によってスカイウォールをパンドラタワーに変える。さらにボトルを奪おうと、スタークは鷲尾兄弟を従えて戦兎たちの元に現れ、美空を人質に取るも、美空は再び謎の力が覚醒し、スタークを退ける。その力の源は、美空に憑依した火星の王妃ベルナージュによるものであった。戦兎は、パンドラボックスを取り返しベルナージュに代わる抑止力にするため、泰山と交渉してビルドの軍事兵器の起用を解除させ、東都政府とは無関係な仮面ライダーとして西都に攻め込む。戦兎の援軍として一海とともに同行した龍我は仮面ライダークローズマグマへのパワーアップを果たし、スタークからパンドラボックスを奪回する。そんな中、龍我の遺伝子構造が通常の人間とは違うことが判明し、そのことを戦兎たちから告げられた龍我であったが、人間として愛と平和のために戦うことを決意する。また、惣一もベルナージュと同じ地球外生命体エボルトに体を乗っ取られていたことが判明した。
一方で惣一(エボルト)は、幻徳に泰山を拉致させ、究極のドライバーエボルドライバーを戦兎へ要求。戦兎は自分の父親である葛城忍の研究データを基にエボルドライバーの在り処を突き止め、ドライバーを餌に泰山を奪還するも、ドライバーは惣一の手に渡ってしまい、惣一は仮面ライダーエボルに変身し幻徳を始末しようとするが、泰山が幻徳を庇って息を引き取る。
エボルは地球上には存在しない毒を戦兎に注入し、パンドラボックス、東都のボトル全ての引き渡しを要求する。取引に応じた龍我はハザードレベルを5.0に上昇させてエボルを倒すが、エボルトに憑依され、エボル ドラゴンフォームへと変身し、揃ったフルボトルによってパンドラボックスの力を解放したことでパンドラタワーが完成してしまう。エボルは、パンドラボックスの光の粒子からエボルトリガーを生成するが、力を失っていたことから起動しなかった。戦兎は戦争を終わらせるためにベルナージュが奪還したパンドラパネルを利用して作成した強化アイテムでハザードレベルを急激に上げてエボルトと共に消滅を試みるが、今度は戦兎がエボルトに憑依され、エボル ラビットフォームへと変身する。エボルトから解放された龍我は変身しようとするが、エボルトの遺伝子を失ったため変身できなくなってしまったが、エボルからドラゴンエボルボトルを奪い、グレートドラゴンエボルボトルに変化させ、仮面ライダーグレートクローズへと変身するが、エボルはクローズら3人のキックを利用してエボルトリガーの力を復活させ、完全体であるエボル ブラックホールフォームへと変身してしまう。
それと同時に戦兎はエボルトから解放されたが、葛城巧のものの意識になっていた。力を取り戻したエボルトは圧倒的な力で鷲尾兄弟を葬り、難波をも消滅させる。それを目の当たりにした内海成彰はエボルに忠誠を誓うことを決意し、仮面ライダーマッドローグへと変身する。戦兎(巧)は、強化アイテムを基にジーニアスフルボトルを完成させるが起動せず、彼を守ろうとした龍我が窮地に追い込まれる。そんな彼を見た戦兎の「誰かのために戦う」という信条を知った巧が戦兎に未来を託したことで意識を取り戻し、ビルド ジーニアスフォームへと変身する。
戦兎は巧からエボルトの目的が父親である葛城忍が開発した人工のフルボトルロストフルボトルを集めることであると聞かされる。それと同時に忍が生きていることやライダーシステムも彼が開発していたことも知らされる。実は、忍は生き延びてエボルトに協力しており、ロストフルボトルを収集して黒いパンドラパネルを完成させようとしていた。
忍の真の目的は白いパンドラパネルを密かに作り上げ、2枚のパンドラパネルとパンドラボックスを合わせることでスカイウォールのない並行世界と現実世界を融合させ、エボルトのいない新世界を作り上げることであったが、エボルトは忍を殺害し、エボルトを止めようとした一海や幻徳、内海もエボルトとの激闘の中で命を落とす。戦兎は龍我の自己犠牲によって彼とともにエボルトを倒し、2枚のパンドラパネルとパンドラボックスを合わせて新世界を創造する。
新世界では、かつての仲間たちや元の世界で犠牲になった人々も生きており、全ての人々が平和に暮らしていたが、スカイウォールの惨劇以降の記憶とは別の記憶を持っていた。そんな中、戦兎は自らと同じく元の世界の記憶を保持したまま新世界にたどり着いていた龍我と再会した。戦兎と龍我はこれまでの自分たちの戦いを49に分けたエピソードとして記録し始めるのだった。
【参考】https://www.kamen-rider-official.com/riders/19/episodes/43

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