仮面ライダーカブト

OUKI

仮面ライダーカブト



仮面ライダー生誕35周年記念番組。制作コンセプトは「最強の仮面ライダー。

前作『仮面ライダー響鬼』とは打って変わり、モチーフに昆虫の採用、「変身」のかけ声の復活、バイクの常用、キックの必殺技、仮面ライダー自身による必殺技名の発声などの昭和仮面ライダーシリーズの要素、一般人の姿・怪人の姿を持つ敵、組織化されたヒーロー、ライダー装着者の交代劇など、これまでの平成仮面ライダーシリーズの要素が盛り込まれている。同時にプロデューサーの梶淳は制作発表の場で「原点回帰ではなく、仮面ライダーの限界・頂点に挑む」と述べており、企画書には「いい物は焼き直しと言われようと取り込み、不要なものは斬新そうでも容赦なく切り捨てる」と記されている。

これまでのシリーズ作品でもよく登場していた「料理」が特に大きくクローズアップされており、主人公を始めとした数多くの登場人物が料理を作って嗜む描写が多数採り入れられたほか、公式サイトでも「まかない」というコーナーを設け、劇中で登場した料理の実際のレシピが紹介された。コメディの比重も高く、暗く重くなりがちなストーリーを和らげ、少しでも作品全体のムードを明るくすることが心掛けられた。特に『カブト』においては、天然キャラによるものの他、不条理でシュールな展開といった、従来のシリアスな平成仮面ライダー作品ではあまり見られなかったコメディ手法が多く盛り込まれている。このコメディ要素は本作品以降の作品にも引き継がれていき、特に次作『仮面ライダー電王』や『仮面ライダーW』では、さらに比重が置かれるようになる。

技術面では、『555』以降それまでの平成仮面ライダーシリーズでも実験的に使用されてきた映像の画質が、本作品より従来の本シリーズの特徴でもあったビデオ収録映像特有のクリアで透明感のあるものから、シネライクガンマ処理による画像エフェクトからもたらされるフィルム的な粒子感の有る画質へと本格的に変化している。これは地上デジタルハイビジョン放送時代への対応を目的として『アギト』以降の劇場版で使用されているHD24P撮影システムを使用し始めたためだが[3]、詳細なノウハウは非公表となっている。また、『響鬼』で鬼のスーツ素材に使用されたマジョーラは、本作品でもライダーのプロテクター部分に使用されている。白倉曰く「今回は応用編」であり、前作での反省点も活かした使用がなされた。
本作品の戦闘演出の中で代表的なのがクロックアップである。ライダーの超高速移動は、『仮面ライダー龍騎』のアクセルベント、『555』のアクセルフォーム、『剣』のマッハジャガーなど、過去作でも取り組まれてきた。しかし本作品が過去作と大きく異なるのは、過去作で「必殺技としての高速移動」が設定されていたのに対し、本作品のクロックアップは敵味方双方が不可視かつ高速で動くことにより、「常人には入り込めない世界」を作り出す点に主眼が置かれている。クロックアップの発想は『龍騎』のミラーワールドに近く、戦いの原則として設定されており、『サイボーグ009』の主人公である009(および002)の能力「加速装置」から来ている。

プロデューサーの白倉は、特撮誌のインタビューにおいて、「『気付いていないだけで、実は自分のすぐそばで仮面ライダーが戦っているかもしれない』という感じを出したかった」と語っている。クロックアップの演出の例については、クロックアップを参照。

通常は秒間24コマで撮影されているが、クロックアップのシーンでは秒間8コマで撮影し、それを24コマで再生することで8倍の時間が撮影されているため、早く動いているように見えており、そのシャッター速度を落とすことで動いた際の残像が残り、映像が出来上がるものとなっている、車や人が落ちる際には現場でスローモーション撮影した映像を合成している。
西暦1999年10月19日、地球に飛来し日本・シブヤに落下した巨大隕石によりその周辺地域は壊滅した。そして7年後の西暦2006年、人間を殺害しその人間に擬態する宇宙生命体・ワームが出現。ワームに対抗するため、人類は秘密組織ZECTを結成し、ワームに対抗するためマスクドライダーシステムを開発した。そんなある日、ZECTの見習い隊員・加賀美新は、自らを「天の道を往き、総てを司る男」と称する妙な男・天道総司と出会う。そのころワームが出没し、追い詰められていくZECT隊員たちを見た加賀美はライダーになって戦うことを決意する。しかしカブトゼクターは加賀美ではなく、天道の手中に納まった。天道はなぜか持っていたライダーベルトにカブトゼクターをセットして変身、仮面ライダーカブトとなり戦うのであった。
【参考】https://www.kamen-rider-official.com/riders/7

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